トイレという空間

日本人はトイレをとても綺麗にする習慣があります。
それは自宅のトイレのみならず、公衆のトイレ(駅・商業施設・学校)といったところでも、劇的に汚いというトイレに出会う機会は減っているのではないでしょうか。
とくに商業施設内のトイレはデザイン性に富んだオシャレな空間に作られているところもあって、トイレの本来の目的を見失いそうになる程です。

トイレは排泄する空間です。
つまり汚れて当然のところです。
排泄は私たち誰もが行いますが、とても私的な行為で人に見られることは恥ずかしいもの。
それは、自分が汚したという事実もさることながら、その汚れを放置したということも恥ずかしさの一端にあるはずです。

欧米の住宅では、各部屋にトイレが備え付けてあるといいます。
個人が各々プライベートトイレを持っているという感覚といって良いのでしょうか。
一方で日本の住宅では大抵が家族共有でトイレを使用します。
自分以外の人間もこのトイレを使うのだと思うと、自分が汚したという事実は取り除いておきたい、あるいは人に汚された状態のトイレを使いたくないという意識から、トイレを綺麗にしておかねばならないという感覚が日本人にはあるのではないでしょうか。

そして日本人にとってトイレは、その空間にいる間は自分だけの空間となり、できるだけ快適に過ごしたい、気持ち良く排泄をしたいという意識からか、トイレのインテリアに凝る人や、本棚を設置する人(トイレで読書する人は意外と少なくありません)、さまざまな工夫を加える人は多いようです。

トイレは誰もが使用する空間ですから、たとえば家に客人が来た時には彼もトイレを使用するでしょう。
そのときにトイレが汚れていたら「この家の人たちは掃除ができない」とか「不潔」といったイメージをもたれてしまうでしょう。

リビングや自分の部屋はとても綺麗に整頓し見栄え良くしがちですが、人は案外トイレが綺麗に掃除されているかどうかで住人を判断します。
”住まいの顔”は本当はトイレなのかもしれません。

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